デリカの末弟らしいタフでギア感のあるSUVスタイルは、このところ徐々に増えてきたSUVテイストの軽自動車の中でもひときわ異彩を放って見える。

 とくに三菱独自の“ダイナミックシールド”による力強いフロントデザインは、小さいながらもインパクトは大きい。

 4WDに標準装備される大径タイヤもよく似合う。2トーンを含め全12色も用意されたボディカラーを選ぶ楽しさもある。

 eKクロススペースもそうだったが、小さな車体から想像するよりも車内に入るとその広さに驚く。

 水平基調のインパネは精悍なブラックをベースにライトグレーのアクセントが配されていて、トレイやドリンクホルダーが見やすくレイアウトされているほか、見えるところも見えないところも車内のいたるところに収納スペースが設けられている。

 座り心地と通気性にこだわったというシートには撥水性のある生地が用いられていて、試乗時にはちょうど雨に見舞われたのだが、水滴をハンカチでサッと拭き取ることができて不快な思いをせずにすんだ。小さな子どものいる家庭となればなおのこと重宝することに違いない。

 荷室も同様に簡単に汚れをふき取れるようになっている。開口高が1080mmもあり、地上高が低めなのでかさばる荷物の積み下ろしもしやすい。リアシートは左右分割して320mmも前後スライドや前倒しができるので、乗せたい人と荷物に合わせて自在にアレンジできるのも助かる。

大径タイヤとサスペンションの改良で
路面からのアタリがマイルドになり快適性が向上

 試乗した売れ筋グレード、最上級のTプレミアムは、eKクロススペースよりも外径の10mm大きいタイヤを履き、走りのほうも4WD車はデリカミニに相応しく足回りが専用にチューニングされている。ざっくりいうと、ショックアブソーバーの減衰力の縮み側を下げるとともに伸び側を強化したという。

 ekシリーズ自体はNMKVにおいて日産主導で開発されたのだが、デリカミニの開発にあたっては三菱が主体となり、ときには日産サイドの関係者もまじえて大いにこだわって進めたという。