喫煙などのたばこの利用は世界平均で寿命を2.2年縮める。だが、大気が汚染されている場合、呼吸をするだけで健康にもっと大きな被害が及ぶ。これはシカゴ大学エネルギー政策研究所(EPIC)が29日に発表した報告書の結論である。同報告書は、大気汚染は公衆衛生にとって世界最大の脅威であり、世界の平均寿命を2.3年縮める要因となっていると指摘した。かつてはスモッグに覆われた空と言えば中国がその典型だったが、近年は意外な成功例となっている。同報告書によると、世界第2位の経済大国である中国では2013~21年の間に、全体的な大気の質が40%余り改善すると同時に、住民の平均寿命が2年余り延びた。対照的に、南アジアの4カ国(インド、バングラデシュ、ネパール、パキスタン)は、同じ8年間に大気汚染が原因で失われた世界の総寿命年数のうち半分超を占めた。同じ時期に増加した大気汚染の60%近くはインド一国によるものだった。