昂るスポーツネスを有した
最新BEV
BEVの“昂り感”は独特だ。一気に立ち上がる電気モーターのトルク、床下の重いバッテリーがもたらすこれまでにない低重心フィール、圧倒的な静粛性、さまざまな最新アプリケーション、そしてかさばる内燃機関パワートレーンがないことによる新鮮なデザイン……。どれもが新時代到来を実感させる。
だが、BEVの真の魅力はそれだけにとどまらない。否、むしろそんな“らしさ”を超越したまったく新しい地平、すなわち電動パワートレーンの物理的&制御的な自由度を活用した、これまで味わった経験がないドライブフィールこそが価値だろう。冒頭で紹介した5つの魅力は、BEVならば“誰が作っても当然そうなる”というべき特性である。
日産は、日本における量産BEVの先駆者。アリアは、そのフラッグシップモデルである。発売前には大いに盛り上がっていた。だが、市販後はすっかり鳴りをひそめている。2WDのB6がメディア試乗会に供された際、多くのジャーナリストはその乗り心地に眉をひそめたという。だが、もちろんそれが原因ではない。一連の半導体不足が、メーカーをして“盛り上げづらい”状況を引き起こしている。