失業率の上昇を祝うべき時はめったにない。だが今はその時だ。  1日に発表された8月の米失業率が3.8%と1年半ぶりの水準に上昇したことは、労働市場が顕著に軟化したことを示す最近の兆候の一つだ。インフレ率を2%まで引き下げてその水準で維持するための米連邦準備制度理事会(FRB)の取り組みにとって、これは通るべき道だ。リセッション(景気後退)を確実に回避できるほどではないが、一助にはなる。  なぜ労働市場がそれほど重要なのだろう。どのみちインフレ率は、労働市場が軟化せずともすでに低下している。  つまるところ、答えは総合インフレと基調インフレの違いにある。