退屈な日本の銀行が2023年、世界でも有数の投資先に変貌を遂げた。金融政策の変更により、資金の集まる状況は今後も続くだろう。日本の3メガバンクの株価は過去1年間で平均73%上昇した。これは主に、日銀が超低金利政策からようやく脱却することへの期待によるものだ。昨年12月以降、日銀は長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)政策に重要な修正を加え、長期金利の上昇を事実上容認しており、2016年に採用したマイナス金利政策の終了が見えてきた。日銀の植田和男総裁は今月、インフレ率が日銀目標の2%を持続的に達成した場合にそうなると示唆している。金利上昇はいくつかの点で銀行に恩恵をもたらす。第一に、銀行が日銀に預けている預金の利回りが上昇する。現在はゼロ金利、またはマイナス金利が適用されている預金だが、その規模は大きい。例えば三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)は3月時点で総資産の21%にあたる57兆5000億円を日銀に預けている。
日本の銀行株に活気、金利上昇が追い風
日銀のゼロ金利解除観測で変化の兆し
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