オール阪神が激務の30代にMCに飛びついた!40年続く釣り番組「ビッグ・フィッシング」の魅力【完全版】スタジオでMCをするオール阪神氏(撮影:大森泉、以下同)

視聴率の低迷や番組予算の削減など、苦境が続くテレビ業界だが、一部の熱狂的なファンに支持され、放送開始から約40年も続く長寿番組が存在する。関西のローカルテレビ局サンテレビジョン(以下、サンテレビ)で放送されている釣り番組『ビッグ・フィッシング』だ。視聴者が限られる趣味性が高い番組内容にもかかわらず、なぜこの番組は長きにわたり放送を続けることができたのだろうか。(コピーライター 橋本未来)

当時の常識を打ち破った
革新的な釣り番組として企画

 関西を中心とした釣り場情報や釣りの仕掛けなどを紹介してきた『ビッグ・フィッシング』は、今年2月に放送2000回を迎えた関西を代表する長寿番組だ。

 今でこそ少なくなったが、1984年の番組開始当時は釣りを扱う番組は多かったと、初代プロデューサーを務めた小松伸氏は振り返る。

「その頃はすでに、大橋巨泉さんの『11PM』(日本テレビ系列)を筆頭に、その他のテレビ局で釣りをテーマにした番組が放送されていました。私自身、ちょうど釣りの面白さを知った時期でもあったので、これをサンテレビでも番組にできないかと考えたのが、企画を立ち上げたきっかけです」

 小松氏は、「どこのテレビ局もやっていないこと」をテーマに考え、行き着いたのがゴールデンタイムで放送すること。そして、1時間枠でたっぷりと情報を盛り込むこと。この二つは、当時の釣り番組では異例の内容だった。

 唯一の弱点が、サンテレビがローカル局ということだった。しかし、ローカルという弱みを、強みに変える逆転の発想が成功の秘訣になった。