“メンバーの持ち味をとらえ、事業につなげる”リクルートの1on1活用法

1on1によって、マネジャーとメンバーの関係性がよくなったり、コミュニケーションが活性化したという事例をしばしば耳にします。企業としては、それをさらに進化させて、メンバーの成長、ひいては成果や価値創造につなげていきたいところでしょう。この課題に対して、リクルートHRエージェントDivision首都圏統括部(*1)では、「1on1を通してメンバーの持ち味を把握し、その力を十分に引き出すべく仕事の機会を提供する」ことをテーマに、取り組んできました。いま、同社で何が起こっているのか、『部下が自ら成長し、チームが回り出す1on1戦術』の著者である人材・組織開発コンサルタントの由井俊哉氏が、同社のキーパーソンにインタビューし、深層に迫りました。(ダイヤモンド社 人材開発編集部、構成/間杉俊彦、大坪稚子)

*1 現クライアントサービス統括部とカスタマーサービス統括部の一部

コミュニケーションのスキルを上げ
メンバーに思い切って仕事を渡す

「2022年度の調査で、1on1が有意義に感じていると回答したマネジャーが87%にのぼりました」。こう話すのは、リクルートHRエージェントDivision首都圏統括部カスタマーサービス4部で1on1を推進してきた保井大八・企画統括部育成支援部部長。

 調査が行われた時期は、コロナ禍からの出口が見え、同社のエージェント事業が回復したときであり、マネジャーもメンバーも多忙をきわめていた。にもかかわらず、1on1は好意的に受け止められたのだ。

「当初は反発もあるだろう、と思っていました。ただ、1年目の後半に2on2(*2)を取り入れるなど、みんなが面白がってくれていると感じ、むしろ、求めている人が多いと分かりました。それで、思い切って先に進めることができたというわけです」(保井さん)

*2 HRオンライン「“1on1を実りある場にするには?”組織風土を変えるために必要なのは、マネジャー同士の「ヨコ」のつながり――1on1先進企業に学ぶ(3)リクルート」参照

 背景にあるのが、HRエージェントDivisionが進める「MKTT」と呼ばれる人材育成術だ。