Will・Can・Mustをキーワードに
コミュニケーションミスを防ぐ

 もちろん、マネジャーにもいろいろなかたちがある。

 元永和哉マネジャーは、1on1のガイドブックや動画制作を担当。1on1の概念は研修で学ぶだけでは足りないと、日常で使えそうなノウハウや実践的なコンテンツを制作した。新任マネジャーにも「これならやれそう」とイメージを持ってもらうのが狙いだ。

 元永さん自身も、週1回から2回の1on1をチーフと行うとともに、メンバー各自とも隔週で実施している。

「マネジャーとチームリーダーとのすみわけは意識しており、チームリーダーに対しては、半期や四半期のメンバーの仕事の進め方をコミットしてもらいますが、メンバーに対しては1、2年後の話をするようにしています」(元永さん)

 26人のメンバーがいて忙しいなか、1on1に時間を費やすのはなぜか。

「メンバーに真意が伝わっておらず、『こう思っていたよ』などと、コミュニケーションの誤解が生じるのを避けるため」だと、元永さんは言う。

 元永さんが重視しているのは、「1on1はメンバーの気持ちをとらえたからといって終わりではない。最終的には組織の成果なり、バリューにつなげていくこと」だという。リクルートには、「Will(実現したいこと)」「Can(自分の強み)」「Must(やらなければならないこと)」を設定し、人事評価などを行うシステムがある。

「『Will・Can・Must』は我々にとって大きな武器であり、1on1はこれを振り返る場だと考えています。いま、どんな状況ですか?とか、これはうまくいっているのですか?どんな点に苦労しているのですか?などを聞くようにしています」(元永さん)

 もう一つ心がけているのが、マネジャーの立ち位置だ。「経験もあり、自走度の高いメンバーの場合、マネジャーが指示しすぎると、自分の想定を超えるものが出なくなる。意識して、なるべくふわっと渡すようにしている」と元永さんは言う。