パキパキからガリガリへ
膝の音が変わったら要注意
とはいえ、たまに膝が痛むことは誰しもあり、若年であれば気に留めない人がほとんどだ。では、どの程度の症状ならば、変形性膝関節症の疑いがあるのか。
見極めるポイントは、痛みと腫れ、さらに「音」である。
「予兆としては、歩行時には痛くなくても歩行後に痛だるかったり、腫れが見られたりすることです。他には、ひっかかり感やパキパキという轢(れき)音が増えるなどの症状があります。体の構造上、膝が悪くなくてもパキパキ鳴るのは問題ないですが、それが大きくなったり、バキバキ、ガリガリ、ザラザラという音に変わったりした場合は要注意。その頃には痛みも伴うようになるでしょう。逆に途中から音が鳴らなくなったときは、膝に水がたまっている可能性が高いです。音で分かりにくければ、膝に手を当てながら、曲げ伸ばしするといいです。ゴリゴリとした感触がある場合は、変形性膝関節症かもしれません」
このような症状を自覚した場合のケア法について、丸山氏はこう語る。
「腫れがある場合は、まず冷やして安静にしてください。湿布を貼るのも効果的です。2、3日しても改善が見られない場合は、整形外科の受診をおすすめします。腫脹が収まっても、痛みが続く場合も早めの受診が必要です。変形性膝関節症は、完全に治ることはありませんが、症状を抑えることは多くの場合で可能ですから、早めに受診するのに越したことはありません」
さらに、変形性膝関節症は気温の影響も受けやすい。特に冬は痛みを感じやすくなるため、注意が必要だ。
「荷重だけではなく、寒冷刺激も痛みを誘発する原因になります。寒いと筋もこわばり、膝の動きの妨げになりますので、外出時はズボンやレッグウオーマーで保温に努めてください。また、サポーターがきつすぎると、関節圧を増加させたり、静脈灌流の妨げになったりと、膝に悪影響を与える可能性もあります」