日本屈指の外国人住民が多い市、川口市には
日本人よりも中国人住民のほうが多い巨大団地がある
川口市の中でも、特に有名なのが川口芝園団地(以下、芝園団地)だ。JR京浜東北線・蕨(わらび)駅から徒歩10~15分。5分の時間差があるのは、大規模な団地のため横に長く、15号棟も連なる2400戸超もあるマンモス団地だから。大友克洋氏の漫画『童夢』のモデルとなった団地でもある。
最寄りの蕨駅は隣の蕨市にあるが、団地は川口市の西端に位置する。蕨駅は“埼玉都民”にとって非常にアクセスがいい。一部チャイナタウン化している池袋をはじめ、新宿や渋谷、東京駅へも30分圏内と、都心への通勤・通学にも好立地だからだ。
そもそも、芝園団地ができる前には、1934年(昭和9年)から日本車輌製造の東京支店蕨工場があった。この地では、新幹線の試作車、世界初の新幹線となる量産車0系が製造された。工場はJR蕨駅近くにあり、蕨駅から引き込み線が延びていた。また、新幹線が最寄り駅である蕨駅から出発したことを記念して、団地内には「新幹線電車発祥の地記念碑」が建てられている。
その後、日本住宅公団(現・UR都市再生機構)に売却された。そして、「川口芝園団地」として、1978年(昭和53年)から入居が開始された。川口市芝園町は同団地の9割程の面積を占めるが、2016年にはとうとう外国人が日本人の人口を抜いた。