効率のいい人の思考法

 対して、効率のいい人は自分の苦手なことに多くの時間をかけません。それは挑戦をしないという意味ではなく、あくまで小さな挑戦にとどめているという意味です。

 では、効率のいい人はどうしているのかというと、苦手なことは自分以外の得意な人にうまくお願いをしているのです。

 たとえば、資料づくりが苦手な人ならデザインセンスのある人に意見を聞いてみたり、データ収集が苦手なら、統計センスのある人に手伝ってもらったりと苦手なことに時間をかけすぎないようにしているのです。そうすることで、限られた時間のなかで、質を落とさずに成果を上げることができます。当然、自分の得意なことでまわりが困っていたら積極的に助けることもしているでしょう。

 こういった働き方には組織の本質が隠されています。もともと組織とはお互いの弱点を補い、それぞれが個性を発揮するためにあるものですから、組織で働くことの意味という面でもピッタリとはまっているのです。

 繰り返しになりますが、苦手を克服する意識は持っているだけでも十分素晴らしいことですので、同じくらい自分の得意なことが消えていないかも意識していただけますと幸いです。