実質倍率(受験者数÷合格者数)も上昇しているが、学部・学科の新設ラッシュで募集人員も膨らんでいるので需給逼迫までには至らない。新設ラッシュはまだ続く。

 農・水産系統では、募集人員数が10年前より増えているが、志願者数がついてこず、実質倍率も高くはない。デジタル人材需要で人気が出た情報系に続いて、グリーン系人材需要で人気が出るといわれるが、まだ実態は伴わない。

 地方国公立大学の理系学部・学科などを見ると、理系の入試難度は、実は昔よりかなり易しくなった。合格偏差値より下でも受かる割合が高くなっている実態がある故、「すごくチャンスがある」と谷本氏。学生側は理系にそこまで苦手意識を持つ必要がなくなったのだ。

 デジタル人材が重宝される職場や社会で理系コンプレックスを抱く親世代には、早いうちに子供の理系志向を促す者が少なくない。こうしたシフトが進む手前の今こそ、“理系の入り時”である。