このサービスは初期費用0円、システム開発不要で小売事業者のネットスーパーの立ち上げを単独アプリ型、もしくはクラシルアプリへの組み込み型の2つのパターンで支援するものです。特長は、3300万ダウンロードを突破しているレシピ動画サービス・クラシルから送客できることです。ほかにも店舗ごとの電子チラシの作成・掲載によるオフラインでの店舗販促のデジタル化サポートなどをしています。

イオンリテールとは2020年12月から、クラシルリテールプラットフォームで提携しており、クラシルアプリのレシピ・献立からイオンリテールが運営するネットスーパーである「おうちでイオン イオンネットスーパー」の商品を購入できるようにしています。

2年ほど取り組みを続けていく中で、特に電子チラシの掲載店舗数は2万店舗を突破するなど導入企業は順調に増えていました。ただ、これも基本的にはクラシルから送客しているのみ。それでは小売業界のデジタル化は進まないし、日本のEC化率も上がっていかない、と思ったんです。

メディアからの送客だけでなく、自分たちがリスクをとって「物流」まで担えるようになろう。そう考えて、クラシルリテールプラットフォームが持つ価値をさらにアップデートさせたものが、昨年12月に発表したクラシルデリバリーになります。

 

──なぜ、このタイミングでの参入だったのでしょうか。

堀江:クラシルリテールプラットフォームを2年かけて運営していく中で、小売企業との信頼関係が構築できたからです。今回のイオンリテールとの提携もクラシルリテールプラットフォームでの取り組みがあったからこそ、実現しました。

彼らとしてはクラシルからの送客に一定の価値は感じつつも、さらなる取り組みとして即日配送や各店舗のデジタル化にも取り組みたい、という考えも持っていたことは把握していました。そのニーズに対して、クラシルデリバリーの話をしたところ、すでに信頼関係もできあがっていたので、「ぜひ」という形で話は進んでいきました。

──改めてクラシルデリバリーの特徴を教えてください。

大竹:ユーザーに便利だと感じていただけるポイントは「最短30分でお届け」という部分だと思います。ここに関しては、一般的なフードデリバリーサービスとは異なり、delyがアルバイトとして「ショッパー」と呼ばれるスタッフを採用することで、教育の面なども含めてオペレーションの品質を高める仕組みを構築しています。