厨房に立って、料理を振る舞う──そんな従来の“シェフ像”にとらわれず、多様な取り組みを通じて、新たなシェフのあり方を追求する人物がいる。鳥羽周作氏だ。
鳥羽氏は「ミシュラン・ガイド東京」2020・2021で1つ星を獲得した代々木上原のフレンチレストラン「sio」のオーナーシェフを務めながら、2021年4月に“食のクリエイティブカンパニー”とうたう会社「シズる」を設立。同社ではYouTubeでのレシピ動画配信、外食チェーンとのコラボ、クラフトマヨネーズ「ふつうのマヨネーズ」の発売などを手がけている。
10月初旬には東京・表参道に、どの時間帯でも食事を楽しめる“ホテルのレストラン”から着想を得て、朝、昼、夜で異なるメニューを提供するレストラン「Hotels(以下、ホテルズ)」をオープンした。sioを経営しながら、従来のシェフがやってこなかった取り組みを次々と形にしている鳥羽氏。彼は一体、何を目指しているのか。
「食のAppleになりたい」と語る、鳥羽氏の考えに迫る。
ホテルズが目指す「ココイチ」モデル
──鳥羽さんが手がけているプロジェクトを数えるとキリがありません。最終的なゴールはどこにあるのでしょうか。