米国では、人事労務、財務、税務など、WORK HEROが対応する領域のBPO利用率が日本の2倍以上あり、今後日本でも同程度の普及が見込めると大坪氏は考えている。

海外では、会計や労務、ITヘルプデスクなどのバックオフィス領域でBPOサービスの利用が広がっている。また大型調達を果たすスタートアップも増えた。

たとえば会計領域では、簿記やCFOサービスなどを提供する米Pilotが、Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏の個人ファンドやWhale Rock Capital、Sequoia Capital、Index Ventures、Authentic Venturesが参加するシリーズCラウンドの調達により、それまでの累計で1億5000万ドル(170億円)以上を調達し、評価額12億ドル(約1300億円)のユニコーン企業となっている。また人事関連のコンサルティング、ソリューション導入、運用などのサービスを提供するフランスのスタートアップ・HR Pathが累計250億円、IT部門のクラウド化を支援する米Electricも累計92億円を調達している。

「日本でも、これまではそれほど大きくなかったスタートアップ市場が大きくなりつつあり、スタートアップを支援するサービスも今が出ていくタイミングではないか」と大坪氏は見ている。

「当初はスタートアップを対象に、法的にアウトプットが決まっている領域にフォーカスして、オールインワンのサービス提供を進めます。その後は、ITや福利厚生などいくつかの領域にサービス範囲を増やす。また、対象とする企業の規模も中小企業や大企業などへ広げていく考えです。ベストプラクティスの積み上げにより、すべて人が対応するBPOと比較すれば半額ほどで提供できるようなサービスにして、将来的な拡大を目指したいと考えています」(大坪氏)

3月23日、Coral Capital、East Ventures、ニッセイ・キャピタルを引受先とする第三者割当増資による、総額1.4億円の資金調達実施を発表したWORK HERO。調達資金を採用やサービス開発に充て、まずはバックオフィスサービスによるスタートアップ支援をさらに強化するもくろみだ。