Fortniteで開催されたトラビス・スコット氏主催の音楽イベントには1000万人以上のプレイヤーが参加しましたが、こうしたイベントの空間データは高額でやり取りされるはずです。クリエイターは一度開いたイベント体験をNFTとして流通させる市場価値も見出せるようになるでしょう。

ここまで「歴史体験」「履歴価値」「空間価値」の3つを軸に、NFTが切り拓くクリエイター向けの新しい価値ケースを紹介してきました。これまで気付かなかった、当たり前過ぎて意識にも入ってこなかった瞬間、やり取りがデジタルデータ化され、高い価値がつくようになりつつあります。

このように、デジタルデータの「本物」と「コピー」の見分けがつくようになったことで、さまざまなユースケースや作品を展開するための発想が誕生してきています。ただし、NFTはあくまでも市場に新しいモノの見方や価値観を生み出す基礎でしかありません。

一番大事なのはユーザーの価値観の変化です。この変化の兆しをいち早くとらえ、クリエイターは自身の作品や制作過程を最適化したコンテンツの形で市場に流通させる必要がありそうです。