ここ数カ月、スタートアップ業界を中心に大きな盛り上がりを見せている「Web3」。ブロックチェーン技術を活用した分散型のインターネットは、メディアのあり方も変えようとしている。Web3時代のメディアはGoogle、Facebookなどのプラットフォーマーが力を握っていた中央集権型のいわゆるWeb1.0やWeb2.0のサービスと、何が異なるのか。
情報発信やメディアにおけるWeb3の背景および現状について、ベンチャーキャピタル・Headline Asiaの林政泰氏が解説する。
従来のメディアとWeb3時代のメディア
そもそもインターネットが普及する前は、テレビや雑誌などのメディアに広告を出稿するのが当たり前だった。しかし、広告出稿後に顧客が増えたとしても、どの顧客がどの広告をみたかは把握しにくかった。具体的に広告の効果を把握するため、注文の際に「テレビ番組の〇〇を見た」や「雑誌の〇〇を見た」などと伝えれば割引がもらえたりする仕組みがある。ただそれもかなり効率が悪く、正確性に欠けるやり方だ。
その後インターネットが普及し、Web1.0では一般大衆でもさまざまな情報を検索したり、取得・受信したり、テキストサイトなどで発信したりできるようになった。Web2.0では受信だけでなく、一般の人もより簡単に発信したり、コンテンツなどをネット上で公開したりしやすくなった。