すでに多くの塾や予備校が導入するAI学習ソフトウェア「atama+(アタマプラス)」がいよいよ大学入試でも活用される。京都府・京都市の立命館大学はatama+を展開するスタートアップのatama plusと組み、新たな総合型選抜(旧AO入試)を導入する。同大学を設置する学校法人・立命館が3月29日に発表した。
経済学部、スポーツ健康科学部、食マネジメント学部が、2023年度入試から導入する。各学部が指定する数学のカリキュラムを事前学習し、プログラムを修了することが、出願要件となっている。立命館大学はこの取り組みを「UNITE Program」と呼び、事前学習においてatama+を活用する。
atama+は生徒の得意・不得意をAIが学習し、その生徒に最適な教材を自動作成する学校・塾向けのソフトウェア。タブレット端末のほか、PCやスマートフォンにも対応。生徒が「どの問題を間違えたか」、「どの問題が得意か」、「回答にどれくらいの時間がかかったか」といったデータをAIが学習し、その生徒が間違えやすい問題の復習や、より難易度が高い問題への挑戦をうながす。駿台予備学校や早稲田スクールといった塾や予備校で展開し、2022年2月末までに2900以上の教室が導入した。
UNITE Programの対象となるのは2023年3月31日までに高等学校などを卒業する、もしくは卒業見込みの学生。受講料は無料だ。受講後、生徒らは2022年5月から8月のあいだにatama+のIDを取得し、志望学部が指定する単元を学習する。そして9月、指定単元の修得認定試験に合格した場合のみ、総合型選抜への出願が可能となる。入試先選考に合格した学生は12月から入学までの期間も、atama+を活用して入学後に必要となる単元の学習を続ける。
UNITE Program導入の狙いについて、立命館大学・副学長の伊坂忠夫氏は「新たな総合型選抜を導入する3学部では、数学的素養が重要です。そのため、atama+というAI学習を活用し、学生の指定した単元ごとの学習・習得状況を可視化します。数学的素養、 データリテラシーを持つ学生に入学していただき、学部での学びでリーダーシップを発揮してほしいと考えています」と説明した。