「試しやすいサイズ・価格設定」と「徹底した高いクオリティ」にこだわったコスメブランド「sopo」
「試しやすいサイズ・価格設定」と「徹底した高いクオリティ」にこだわったコスメブランド「sopo」

先ほどお話ししたように、NOINのメインユーザーはZ世代。そこで得たデータで他社の弱みをカバーし、それを克服するような戦い方をしてきました。例えば、2021年に発売したsopoのクッションファンデーション。今では常にマスクをつけるようになったから、ファンデーションが崩れやすくなりました。

しかし、sopoのクッションファンデはマットタイプで、かつマスクにつきにくいし、よれない。そのためユーザーからの評判もいいです。

ギフティングボックスで露出の頻度を上げる

大槻:ファミリーマートでsopoを展開する以外の手段もあったように思います。これは、あえてやらなかったのでしょうか。

渡部:実は、NOINでもsopoを広めようとしたことはありました。でも、あまり意味がなかったんですよね。

唯一、注力したのはギフティングボックス(ブランドを代表する商品のセット)でした。理由は、それを手にしたインフルエンサーのみなさんが開封動画を含めてsopoを複数回取り上げてくれるから。今やInstagramでも、ストーリー機能を利用して同じ動画を複数載せることに抵抗がなくなっています。ならば、商品が取り上げられるフリークエンシー(頻度)は多いほうがいい。そのため、商品はもちろん、ギフティングボックス1つとっても妥協しませんでした。

sopoのギフティングボックス
sopoのギフティングボックス

また、美容系YouTuberの人たちは「安くて、クオリティの高いもの」を動画コンテンツとして取り上げる傾向にあります。この「安くて、クオリティの高いもの」にsopoの商品が合致するため、さまざまなYouTuberに取り上げてもらったことも大きかったです。

大槻:逆に、ファミリーマートでの勢いをノインに寄せることは考えていたりしますか。

渡部:どちらかというと、sopoを皮切りに「NOINには魅力的な化粧品がたくさんあるのだ」と広く認知してもらわなくちゃいけないと思っています。それができてはじめて、NOINのブランドが確立され、利益を得られるようになる。ブランドへの信頼性はすぐに構築できるものではないので、そこはじっくりと、焦らずに進めていきたいですね。

sopoは累計100万本の売上を記録していますが、まだ一部のユーザーにしか届いていないと思っています。今後はファンデーションのような定番を出しながら「コンビニコスメ=緊急時用だけじゃない」という流れをもっと強めることが必要です。今後、この流れをどんどん広げていきたいと考えています。