大槻:現在、sopoはアイカラーやマニキュア、カラーマスカラ、クッションファンデーションなどを販売しています。なかでも一番反響があったものはなんですか。

渡部:カラーマスカラです。ヘアメイクさんから教えてもらったことをきっかけに、女優・モデルの本田翼さんがInstagramのライブ配信で紹介してくれました。

実は俳優やモデルは、友人よりもメイク室にいる人たちと会話することのほうが圧倒的に多い。僕らも、マーケティングでは俳優やモデルではなく、ヘアメイクの人たちをターゲットにしているところがありますね。

タッチポイントとLTVを高め、ブランド確立を目指す

 

大槻:sopoだけでなく、ノインで発表されるオリジナルコスメにはどれも強いこだわりを感じます。渡部さんはもともと化粧品に詳しかったんですか。

渡部:いえ、創業するまでは詳しい知識を持っているわけではありませんでした。ノインを創業してから勉強を始めたんです。それこそ、化粧品を買いまくりました。商品開発時は話題の化粧品を買い集め、一つひとつのテクスチャーや色みを自分でチェックしています。幸いなことに今は売上も伸びていますが、ノイン代表である僕が化粧品EC事業を大外れさせてしまったらと考えると……必死になるしかないですよね(笑)。

化粧品はOEMで少ないやりとりでローンチすることが一般的です。でも、ノインは僕自身が納得できるまでやりとりを続けている。大手企業ではできないやり方を実現させているから、いいものを作れるのは当たり前なんです。

大槻:軌道に乗ってきているノインでは、今後も新商品が続々と登場するように見えますが、反対に今後の取り組みに向けて課題などはあるのでしょうか。

渡部:今のやり方だけで勝ち続けられるとは思っていないです。「SNSなどで話題になる」ことは、あくまでも一過性でしかありません。そこからどうブランドとして定着させていくかは今後の課題です。

sopoのリピート率は、ファミペイを通じてある一定数は見えています。タッチポイントとなる目的でユーザーが試したくなるアイカラーやマニキュアを出し、ブランド自体を好きになってもらう、つまりLTVを上げる目的ではファンデーションのようなベースメイクを展開するなど、これらのカテゴリをクロスセルさせながら、ブランドを確立させていきたい。1〜2年ほどかけて取り組んでいくつもりです。