そんなニーズに応えるかたちで、mentoは事業を拡大。従来は対面での研修が主流だったが、コロナ禍でオンラインに置き換わったことで、コーチも今までより多くのクライアントに対応できるようになり、案件の数も増えていっているという。

躍進を遂げる、海外のコーチングサービス

日本でも盛り上がりを見せつつあるコーチング市場だが、海外では法人向けを中心にさまざまなサービスが立ち上がり、大型の資金調達を実施するなど賑わいを見せている。

アメリカのコーチングサービスとして、最も有名なのがBetterUpだ。同社はデータドリブンかつパーソナライズなコーチングプログラムを提供している。2021年9月にテクノロジーの活用を加速する目的で、感情解析を得意とするAI企業のMotiveを買収し、10月にシリーズEラウンドで300億円の資金を調達。さらに12月にはアメリカ空軍と提携しコーチングプログラムを開発している。

またヨーロッパへの進出を発表しており、アムステルダム拠点の人材マネジメントSaaSのimpraiseを買収するなど、コーチング市場の拡大を牽引している。

そのほか、Y Combinator出身でエグゼクティブ向けコーチングサービスを展開するTorchは2020年に企業向けメンタリングサービスを手がけるEverwiseを買収したほか、コーチングプラットフォームのSounding Boardは、シリーズAを終了してからわずか数カ月後の2021年12月にシリーズBで約30億円を調達している。

「BetterUp以外はとても大きいわけではないですが、BetterUpがある中でも後発のサービスがたくさん出てくる。それだけマーケットの裾野は広いと思っています」(木村氏)

一方、日本ではコーチングサービスとしては「mybuddy(マイバディ)」のほか、ZaPASSが個人・法人向けにコーチングサービスを提供しているが、最近はコーチになるためのスクールが盛り上がっている印象だ。

例えば、経営者・リーダーのためのコーチング習得プログラム「CoachEd」、オンラインのコーチングスクール「THE COACH Academy」、オンデマンド型のコーチングスクール「Colorful U」といったサービスが立ち上がっている。

mentoでは、海外のプレーヤーたちがテクノロジーを活用したコーチングのソリューションを提供によって成長していることを受け、今後、テクノロジーの活用に注力していくという。