アクティビスト(物言う株主)をはじめとした株主の動きが活発だ。銀行業界も例外ではなく、政策保有株を多く抱える銀行や、低PBR(株価純資産倍率)&低ROE(自己資本利益率)から脱却できない銀行は、今後アクティビストの標的になりかねない。特集『銀行危険度ランキング2024』(全6回)の#4では、金利上昇期待によって好調を維持している銀行株の中で、市場評価が著しく低い銀行をあぶり出した。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)
銀行株好調でも課題山積
市場評価が低い銀行は?
日本銀行の金融政策転換により、昨年から「量的緩和解除銘柄」として投資家の注目を集めていたのが銀行株だ。実際、金利上昇期待によって、3メガバンクや地方銀行の株価はこの1年で軒並み上昇した。
しかし、多くの投資家は銀行株に物足りなさを感じているに違いない。2024年3月末時点で、単体ROE(自己資本利益率)は銀行105行のうち半数以上が4%以下で、PBR(株価純資産倍率)も上場している銀行78行のうち58行が0.5倍以下というありさまだからだ。
低PBR&低ROEを放置していれば、アクティビスト(物言う株主)の標的になる可能性もある。市場評価は、地銀経営陣にとってこれまで以上に意識すべきものになっている。
そんな世相を反映して、下表のあいちフィナンシャルグループ(FG)や名古屋銀行のように、政策保有株の縮減目標を進めて、低ROEからの 脱却を図る地銀が相次いでいる。
では、24年3月末までの1年間で、市場評価が特に低かった銀行はどこか。PBRと時価総額を基に作成した市場評価ワーストランキングを、次ページで公開する。