NOT A HOTEL サイトイメージ
 

2021年9月には第1弾となるフラッグシップモデルをオンラインで販売開始。宮崎県青島の「NOT A HOTEL AOSHIMA」と栃木県那須の「NOT A HOTEL NASU」の2拠点の販売価格は、1棟購入で3億960万円〜8億3760万円。年間30日分を1単位として購入するシェア買いでも1単位あたり2580万円〜6980万円と、決して安い買い物ではないのだが、すでにほぼ完売の状態だ。

NOT A HOTELでは、オーナーがすべての拠点のNOT A HOTELを相互に利用できる。オーナーは自分の所有する利用可能日数を使い、ほかのNOT A HOTELにも泊まることができる(部屋によっては、差額の支払いが必要)。

またオーナーだけが1日1組限定で利用できる「EXCLUSIVE HOUSE」を東京の広尾と浅草にも用意するほか、複数のトレーラーで構成された「移動するEXCLUSIVE HOUSE」も準備している。また今後は都市型コンドミニアムを福岡で展開し、今夏にも販売開始を予定。さらに北軽井沢にも拠点を設ける計画だ。

旅する先が毎年変わるNOT A HOTELのNFT会員権

今回のNOT A HOTELのメンバーシップ制度は、通常は1棟単位で3億円台から8億円台、年間30日分の権利を1単位として購入できるシェア買いでも2500万円から7000万円弱する別荘の所有権ではなく、利用権を1日単位に分割して、NFTとして125万円〜で販売する仕組みだ。権利の有効期限は2023年から2070年までの47年間となっている。

濱渦氏は2021年9月の取材でも「将来的には1000万円を切るぐらいまでのラインアップをそろえたい」「不動産を証券化して、これを小口のセキュリティトークンとして販売したいというのが最終目標」と述べていた。

ただ1日単位に区切ったとしても、やはり不動産として販売するには重要事項説明や、登記のために司法書士への依頼が必要になるなど、「コストが全然合わない」状況だと濱渦氏。そこで考えついたのが「メンバーシップ(利用権)をNFTで販売する」という手法だった。

「今のNFTには、デジタルアートやキャラクターといったものが多いじゃないですか。僕らはよりリアルなアセットとひもづけるようなものを考えていました。そこで今回は年間の365分の1、つまり1日分の権利をメンバーシップとして販売することにしました」(濱渦氏)

NOT A HOTELのメンバーシップをNFTで買うと、デジタルカードが入手できる。カードは購入時点では無地のパッケージだが、NFTトレーディングカードの「NBA Top Shot」と同様に“開封(リビール)”すると中身が現れ、月日がランダムで刻印される。そして、毎年その日にNOT A HOTELのある1室を使える権利が付与される。