販売価格は冒頭でも述べたとおり、日本円で125万円から。販売時のイーサリアム(ETH)の相場によってNFTとしての値付けをする。

「ただの宿泊権だと資産性が担保されませんが、NFTであることで、その人が所有していることが分かりますし、セカンダリーマーケットで売買できるような流動性を持たせられることが、やはり魅力となると思います。会員制リゾートやタイムシェアは不動産なので、たとえ年に20泊分でもやはり、NOT A HOTELのシェア買いと同じぐらいの金額になってしまい、100万円単位では買えません。転売するときも『30日単位で数千万円』だと流動性という部分でも売買しにくいです」

「また、1つの拠点だけでなく、今後できるNOT A HOTELの拠点も含めて利用できる権利を買えるという点で、遊びの要素があるのが楽しい。メンバーシップのNFTを買うと、まっさらなカードが来て、それをリビールしたら日付が出てきて、それが毎年旅する日になるって、結構ロマンチックじゃないですか。今までNFTってリアルじゃないものがほとんどでしたけど、実際に行ける、旅する日になるというリアルとの接点がNFTで実現できると、よりNFTにも価値が出るのではないでしょうか」(濱渦氏)

海外では、NFTを購入すると使えるプライベートダイニングのプロジェクト「Flyfish Club(フライフィッシュクラブ)」が、会員権を発売からすぐに完売してニューヨークで開店準備を進めるなど、リアルな体験とNFTを結びつけて販売する動きが出始めている。濱渦氏は「日本でもそういう事例が出てくると面白いんじゃないかと思っています」と語っていた。