「原材料から調達し、自分たちで製作する。これを外部の会社などに任せていたら、建築にかかる費用も高くなっていたかもしれません」

SANU CABINはあくまでも自然へのアクセスを手軽にする「インフラのようなもの」(福島氏)だという。だからこそ、すべて同じ基本デザインにし、統一化を図っている。

SANU CABINはプラモデルのように現場で組み立てるだけで完成する
SANU CABINはプラモデルのように現場で組み立てるだけで完成する

「SANU 2nd Homeを訪れた先に広がっている自然の中での体験は拠点の場所によって異なりますし、季節によっても異なるでしょう。だからこそ、宿泊する場所のキャビンは1棟ごとに異なるデザインをする必要はないですし、同じデザインで良いのです」

「また、Sanuは都市部に生活拠点を持つ人たちをターゲットにしているわけですが、彼らがなぜ自然の中に行かないのか。それは訪れた先の宿泊場所への不安、『非日常を体験しないといけない』というイメージから休みにしか行けないなどのハードルがあったからです。そのハードルを下げるために、Sanuは統一的なデザインで安心感を提供し、また都会と同じように仕事や生活ができる場所にすることを意識しています」

3000人超が会員待ち──「暮らしのサブスク」を手がけるSanuがシリーズA累計19億円の資金調達
 

また、SANU 2nd Homeは無人で宿泊施設を運営しているため、土地面積が少なければ棟数を少なくし、土地面積が大きければ棟数を増やすなど場所に合わせて柔軟に建設できる。その点も、従来のホテルブランドなどにはないSanu独自の強みになっているという。