約7カ月で50棟の建築を可能にしたSanu独自の強み

SANU 2nd Homeは月額5万5000円(税込)で「自然の中にある家と暮らし」を提供するセカンドホームのサブスクリプションサービス。現在、白樺湖(長野県)や八ヶ岳(山梨県)のほかに、河口湖(山梨県)、山中湖(山梨県)、北軽井沢(群馬県)など7つの拠点に合計50棟の独自開発の家「SANU CABIN」を構えている。

サービス開始から約7カ月で50棟を建てるなど、スピーディーにSANU CABINを増やせている理由について、福島氏は「建物をプロダクトとして捉えている点にある」と語る。

「Sanuは建築設計・施工のパートナー企業であるADX社と連携し、50平米のSANU CABINの基本デザインはすべて同じにしています。また建築物の一部、またはすべての部材をあらかじめ工場で製作し、建築現場で建物として組み立てるプレファブリケーション(プレハブ工法)を取り入れることで、建設期間を短縮とスピーディーな開発を実現しています」

3000人超が会員待ち──「暮らしのサブスク」を手がけるSanuがシリーズA累計19億円の資金調達
 

また、ここ1〜2年で外的要因による資材価格の高騰が叫ばれているが、Sanuは基本デザインを統一し、単一の部材を大量に調達する形をとっているため資材価格の影響をほとんど受けていないという。

「仮に場所ごとに異なる建物をつくったり、さまざまな素材を使ったりしていたらかなり影響を受けていたと思います」(福島氏)。加えて、釜石地方森林組合と連携し、国産の木材を原材料から調達するスキームを構築したことも大きかったという。