一方で佐俣氏としては「そのような中で自分たちのファンドに機関投資家を始めとした方々が投資をしてくれるのは、日本のエコシステムを前進させていって欲しいというメッセージだと思っていますし、だからこそしっかりと投資をしていきたい」と話す。

5号ファンドからは1社への最大投資額も4号ファンドの2倍となる40億円に引き上がり、シード期から支援してそれ以降のラウンドでも手厚くサポートできる土壌が整いつつある。

「2009年は日本の景気がかなり落ち込んでいた状況でしたが、後に大きく成長したラクスルやユーザベースといった企業はその年に生まれています。景況感が変わっても起業する人はいるし、そのような人たちにしっかり投資をしていきたい。(不況で)VCが一気にいなくなるということもなく、2009年と比べても多様なVCが存在する状況です。ANRIとしてもこのマーケットから逃げずに、むしろ大きなファンドを作って創業期から会社を応援していきたいと考えています」(佐俣氏)