吉田氏はsonar ATSのニーズが高まっている背景についてそう話す。かつては企業の方が優位で「採用してあげる」というスタンスでも採用が成り立っていた時代もあったが、近年はそのやり方ではうまくいかなくなったという。

「応募者側も入社前から口コミサイトやSNSで企業の実態を把握できるようになってきていますし、優秀な人材ほど選択肢も多い。今は最初に応募者から選んでもらった上で、その次に企業が選ぶという順番です。その順番を間違えると採用できない時代になってきています」(吉田氏)

そこで重要になるのが、応募者1人ひとりに向き合った採用プロセスを設計することだ。たとえば社員の紹介(リファラル)で選考に興味を持ってくれたAさんと、一般の求人媒体から応募してくれたBさんでは、それぞれに合わせた別々のプロセスを用意した方がいい。

ただ、ここには採用担当者にとってのジレンマが存在していたという。「(細かな採用プロセスの設計を)やればやるほどリソースが足りなくなるので、やりたいけれど十分にはやれない」(吉田氏)のだ。

吉田氏によるとsonar ATSではこの課題の解決策を提供することによって、事業を成長させてきた。

sonar ATSはさまざまな求人媒体と連携し、応募者の選考状況や自社全体の採用プロセスを管理できるサービスだ。採用管理ツール自体はいくつも存在するが、同サービスが選ばれる理由となっている特徴が2つあるという。

フロー管理機能のイメージ
フロー管理機能のイメージ

1つが採用のプロセスをフローチャート形式で設計するための機能だ。応募チャネルや応募者の属性に沿ったかたちでプロセスを細かく設計し、全体の状況を一目で可視化できる仕組みを作った。

1つ1つの項目は右下の「+ボタン」から簡単に追加でき、自由に組み換えられる。次のステップに進むかどうかを迷っている応募者がいれば、OB面談や現場面談などを追加で挟むといったことも簡単だ。

とはいっても、この機能単体では管理するためのステップが増えて、担当者の負担は減らない。そこでsonar ATSでは1つ1つの項目に条件を設定しておくことで、事務業務を自動で実行するための機能を実装した。これが2つ目の特徴だ。

各項目ごとに発生する業務を自動化できる機能も実装
各項目ごとに発生する業務を自動化できる機能も実装

面接の前日にリマインドメールを送る、面接後に合否判定を行えば応募者への連絡が自動で送信される、選考の進捗が滞っている応募者を検知して自動でエントリー促進などの連絡をする──。

このような仕組みを実現した結果、sonar ATSを活用すれば担当者が複雑な採用プロセスを設計しても、自動化によってそれをしっかりと運用できる。これが採用担当者から評価されて導入につながっているという。