事業でのコンプライアンスも、プライベートでのコンプライアンスも両方しっかりしていきます。

──被害を受けたタイミー社員への対応は。

道義的な責任および会社(タイミー)との約束ごとがあるので、本件の内容および対応についてはお話しできません。会社と相談の上、事後については適切に対応いたしました。

STEPNは持続不可能、持続可能なブロックチェーンゲームを作る

──Thirdverseで取り組むブロックチェーンゲーム事業について教えてください。先ほど語っていたWeb3について「怪しい」という考え方から「事業をやる」と変わったきっかけは何なのでしょうか。

明確に2点です。1点目はある種のブームを感じたからです。「Web3の定義が何なのか」ということ自体については、僕は結構あいまいだと思っていて、何か神学論争のような主張をしたいわけではありません。

ですがWeb2の時の経験も踏まえて言うと、一定以上のブームになってくるとそこにお金が集まってきます。メディアも取り上げようとなるし、人材も入ってきて、ある種成功しやすくなるというか。そんなムーブメントが2021年の暮れごろから起きていると感じています。

またWeb3と言っても、その事業のすべてが成功するわけではなく、かなりのものは死んでいくと思います。ですが中にはビッグになり、世の中に影響力を与えられるものも出てくるんだろうなと思っています。

僕も以前はビットコインも持っていなかったし、取引所へのユーザー登録すらしていませんでしたが、まずは「STEPN」(NFTスニーカーを入手し、歩いて移動することで仮想通貨を入手できるゲームアプリ)で靴を買ったんですよ。当時はトークンの価格が一番高かった時期なんですが、ゲーム性を絡めながら稼ぐ(Play to Earnの)体験は初めてで、これは「来る」だろうとなりました。

この2点から(ブロックチェーンゲームは)料理のしがいがあると思えたのが、Thirdverseにジョインしたきっかけです。

──「●● to Earn(「Play to Earn」がゲームをしながら稼ぐことを意味するように、何かしらの行動、作業をしてトークンを稼ぐタイプのサービスのこと)」というところに興味を持ったのでしょうか。

STEPNも少しやれば分かるんですけれども、これは明らかに持続可能(なサービス)ではないんです。「みんなが稼ぐ」なんて成り立つわけがないので。

ではそうならば、どうやって持続可能なサービスにしていくべきでしょうか。ゲーム性もあればトークンのエコノミクス的な設計も必要です。いろんな分析をしながらポイントを消費させることを考えたり、持続可能なサービスにするために必要なものがあります。