(DeNA時代に)ngmoco(米国発のソーシャルゲームプラットフォーム)を300億円で買収して、500億円の赤字を出してしまいました(編集注:DeNAの2020年3月期第3四半期決算で493億円の減損損失を計上した。そのうちngmocoののれん償却は約400億円)。日本ではモバゲータウンの成功体験があったので、世界でもゲームプラットフォームを取るのがねらいいでした。「ゲーム(開発)会社」になりたいわけではなくて、「ゲームプラットフォーム」になりたかったのです。

ですが「時すでに遅し」でした。特にAppleとはいろいろと戦ったのですが、レギュレーションがどんどん厳しくなってきて、プラットフォームとしてゲーム事業ができる見込みがなくなってきて諦めました。

今のブロックチェーンゲーム事業ではまだそこまで強い、ユーザーの面を取ったプラットフォームになりそうなものがないと思っています。ではそこにウォレット勢がやって来るのか、チェーンを押さえている人たちが来るのかというのはありますが、まだ決まったかたちではないので、そこに非常に可能性を感じています。

──現状、ウォレット1つ使いこなすのも難しい人は多そうです。

そうですね。僕もこの春から使い始めたところですが、チェーンもウォレットも今は面倒なんです。

ですが逆に言うとすごいチャンスでもあると思っています。こんなに面倒な状況でもたくさんのユーザーが使っている。法律や技術面は整ってくるはずなので、利便性が上がれば「どこのチェーンか」なんて気にしなくなってくると思います。その上でユーザーが普通に使うサービスとして一番というか、そういうサービスを提供していこうかと。

──ブロックチェーンゲームのマネタイズ手段について教えてください。

1つはアイテムを売るとか(トークンの)プレセール的なものです。そしてもう1つはゲーム内にマーケットプレイスを用意して、ユーザー間取引の手数料を持っていくことです。この2つを併存させることになるのではないでしょうか。これまでのゲーム(ソシャゲ)に比べると、マネタイズポイント自体はかなり多く、そこに苦労するとは考えていません。

逆に言うと、ユーザー側のマネタイズも、我々のマネタイズも含めた消費と稼ぎの全体バランスの設計、これが非常に重要になります。

──ソシャゲでは過度な課金への批判もありました。ブロックチェーンゲームではその点をどう考えていますか。