複数の視点があると思います。まず、ユーザー自身が理解をしてお金を払ってる分には、そこまで非難されるべきものはないと思ってます。例えば、ゲームに100万円つぎ込んだという事象があったとして、ゲームをしていない人からすれば批判はあるかも知れませんが、ユーザー自身が理解した上でお金を払うことは、何ら悪いこととも思いません。

ところがブロックチェーンゲームであれば、トークンが下落するとみんなが思ったのと違う動きになってしまいます。これがどこまで制御可能なのか、またユーザーの理解がどうなるかも含めて考えないといけません。トークンの価値が動かないと思っていたり、そういう約束のもとで買ったのであればそれは詐欺に近い話です。

もちろん運営側としてはそうならないようにしますが、保証をするのは難しいですし、色々と失敗しながらノウハウをためていくことになると思っています。我々が意図しないかたちでトークンの価格が下がることはあり得ます。そこでのユーザーコミュニケーションをどう取るかは考えないといけません。

またソシャゲでは、未成年が親のクレジットカードを使って課金をしたことなども大きな社会問題になりました。ブロックチェーンゲームでは近い将来それが起こるのはないのではないかと思っています。(未成年の利用に関しては)規約もしっかり決めていきます。

──ソシャゲであれば事業者が横並びで業界団体を作って自主規制をしていました。そういった取り組みもまだ難しそうに見えます。

JASGA(一般社団法人ソーシャルゲーム協会。2014年にCESA(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会)と合併)ですね。日本国内だけを見た場合には作りやすいですし、業界団体もあります。ですが、その日本だけを見てると明らかに(市場、ユーザーは)小さいし、世界標準とは違うんです。

ソシャゲやスマホゲームのときに何が起こったのかというと、国内の事業者は自らのガイドラインを守っていたのですが、海外の事業者はそれを守らないということでした。確かに日本でどうやっていくのかという話もありますが、どちらかと言えばグローバルでどういうプレーヤーがいて、そこでどう振る舞うかの方が重要だと思います。

──Web2の時代には、日本の事業者がガイドラインにのっとりゲームを作っていたら、海外勢にプラットフォームまでを握られてしまったということでしょうか。Web3ではどんな戦い方が求められますか。