ABEMA内でのW杯特設タブのイメージ 画像提供:サイバーエージェント
ABEMA内でのW杯特設タブのイメージ 画像提供:サイバーエージェント

──業績といえば、やはり「ウマ娘 プリティーダービー」の好調も大きかったですか?

具体的には言えないですけれど、察していただければ(笑)。

──実際に中継権の獲得にどのくらいの金額がかかってるのでしょうか。

少なくともABEMAとしては最大の投資額になっています。

──日本代表のカタールW杯の最終予選のアウェー戦はDAZNの独占配信で、有料のみでした。サッカーファンも今大会は有料かと覚悟していた中の無料配信で驚きました。なぜ有料ではなく、無料での配信となったのでしょうか。

当初からABEMAは無料生中継を前提として考えています。ABEMAはまず、無料でたくさんの方に使ってもらい、取り扱う競技やジャンルの多さを通じて、ABEMA自体を好きになってもらう。そして利用者を増やすことで、広告収入などでマネタイズしていくというビジネスモデルです。先ほどお伝えしたようにW杯中継も当初から無料が前提でしたし、“無料”はABEMAのサービスの根幹なんです。

開局からの6年間で培った技術やノウハウを活用

──W杯のような関心の高いイベントをネットで無料中継するときに大事なのはサーバーです。ABEMAは2017年に放送した「亀田興毅に勝ったら1000万円」で視聴者の急増による負荷でサーバーダウンした苦い経験があります。

ABEMAが開局してから6年間で配信に関する技術やノウハウなど、さまざまなアセットが蓄積されています。過去にはサーバーダウンなどを経験しながらも、そこに耐えられるような技術の増強があり、今回のW杯はいけると判断しました。

──そもそもABEMAではこれまでサッカーの中継の経験はあったのでしょうか。

2021年の「コパ・アメリカ(南米選手権)」をPPV(ペイ・パー・ビュー、有料コンテンツに料金を支払って視聴するシステム)で販売したことはありましたが、サッカー中継をゼロからつくりあげて取り組むのは初めてとなります。

──ABEMAはテレビ朝日との関係が深いですが、中継ノウハウの共有もあるのでしょうか。

もちろんです。ABEMAがサッカー中継をイチから組み立てること自体、初めてのことなので、どういうかたちで配信していくのがベストなのか、カタール現地での展開などさまざまな部分において、テレビ朝日の皆さんにご協力いただいています。ABEMAの中継プロデューサーとして、テレビ朝日から来ていただいて、一緒に中継を組み立てています。

──日本代表戦などは地上波と同時中継になるのでしょうか。