結果的に、OPSIONは2019年11月末でRISAの事業から撤退。その後、開発に携わっていたメンバーも退職し、チームは解散。年明けには会社に深野氏しかいない状態になった。

「『事業はタイミング』とよく言いますが、バーチャルオフィスはタイミング的に今ではないんだなと思いました。このままサービスを続けていても上手くいかないだろうと判断し、RISAから撤退することを決めました」(深野氏)

その後、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の融資で得た資金をもとに、OPSIONは新たに経理のアウトソーシングサービス「REON accounting」を2020年3月にリリースした。

「当時は成田さんからも『RISAはやらない方がいい。今あるスキルでマネタイズしよう』というアドバイスをもらっていたので、自分が経理のスキルを持っていたので、新規事業として経理業務のサポートをしていければと思ったんです」(深野氏)

コロナ禍で「リモートワーク」が本格化、RISAに活路を見出す

心機一転、新たな事業に注力していこうとしていた矢先で新型コロナウイルスの感染拡大が本格化。4月7日には全国で緊急事態宣言が発令されたことを受け、多くの企業は出社を禁止にし、“原則在宅勤務”の導入を余儀なくされた。

一度は「タイミング的に難しい」と判断し、事業を撤退させたが、図らずも新型コロナウイルスの感染拡大により、バーチャルオフィスの需要が高まり始めたのだ。

そうした社会の変化を受け、深野氏は経理のアウトソーシングサービスを止め、再びRISAをスタートさせることを決意。メンバーを集め、6月頃から開発を再開した。

「テクノロジーに精通しているスタートアップの人たちは、オンラインホワイトボードツールやコミュニケーションツールのDiscord(ディスコード)などを使って、リモートワークの課題解決ができていると思います。その一方で、これまで通勤するのが当たり前だった企業などはリモートワークが当たり前になったことで一気に課題が噴出しています」

「例えば、飲みニケーション(お酒を飲みながらコミュニケーションを取ること)の機会がなくなると、どうやった部下をマネジメントすればいいか分からないといった声もありました。そういう課題を抱える人たちに対して、RISAを提供することで課題を解決してもらえるのではないかと思いました」(深野氏)

また、成田氏も新型コロナウイルスの感染拡大によって考え方が変化。「バーチャルオフィスの価値が増していくのは確実な未来だと信じるようになった」と言う。