「クラウドワークスが5年、10年後にどういう事業をやっているのか、ということを考えたときに、クラウドワーカーやフリーランスと企業とのマッチングに加えて、働き方を支えるインフラとなるようなサービスを作っていきたいと考えました。具体的には、クラウドワーカーとの契約や請求を簡単に管理できるようにしたり、稼働や工数を把握できたり、社員とクラウドワーカーのコラボレーションを促進したり。そういうサービスを作っていくべきだと思った時に、働く場所の変革に大きなポテンシャルがあると思いました」(成田氏)

成田氏によれば、当時は特にVR(仮想現実)やAI(人工知能)、ブロックチェーンに強い関心を持っていて、各領域のスタートアップに一通り会って話をしてみたという。

「実際、VR系のスタートアップは10社ほど見ていましたし、社内のオープンスペースでOculus Questの体験会もやっていました。VR出社やVRミーティングの検討も実は進めていましたが、VRはヘッドマウントディスプレイをつけなければならず、これをずっと着けながら働き続けるのは正直、キツイなと思ったんです」(成田氏)

そんな成田氏のもとに、Twitterで1通のDM(ダイレクトメッセージ)が届く。その相手がOPSIONの深野氏だった。成田氏が“VRオフィス”に関するツイートをたくさん投稿していたことから、コンタクトをとってみることにしたという。

事業撤退、チーム解散からの復活──クラウドワークスが見出した“VRオフィス空間”の可能性
2019年5月のDMのやり取り 画像提供:クラウドワークス成田氏

DMをきっかけに会って話をした成田氏と深野氏。「バーチャルオフィスのコンセプトは面白い」と感じた成田氏はエンジェル投資家として出資を決める。

資金繰りの問題でサービス撤退、チームも解散

その後、2019年7月にサービス名を「Metaria」から「RISA」へと変更し、クローズドベータ版のLP(ランディングページ)を公開するなどOPSIONはバーチャルオフィスを当たり前のものにすべく、歩みを進めていたが途中で資金繰りの問題が発生する。

「働き方改革の推進によって“リモートワーク”という言葉を耳にする機会は増えていましたが、当時は今ほど切実な問題にはなっていませんでした。そのため、なかなかバーチャルオフィスの実績も増えず……。資金調達のためにVC(ベンチャーキャピタル)を回ったのですが、導入実績もあまりなく、またバーチャルオフィスに関しても『そこまで需要はないのではないか』『将来性が不透明』など懐疑的な声が多かったこともあり、資金繰りはうまくいかなかったんです」(深野氏)