MaterialYouでは通知パネルやアイコンも刷新。全体的に丸みを帯びたデザインに変更。アニメーションはより滑らかな表示になった。ロックスクリーンやウィジェットが親しみやすい見た目に改良されたほか、通知パネルにはGoogle PayやGoogle Home対応機器を制御できるショートカットが追加された。

Googleのプレスリリースより
Googleのプレスリリースより

さらに、OSレベルでの設計の見直しにより、レスポンスも大きく改善。OSが消費するリソースをCPUの動作時間にして22%削減し、多くのシーンで動作が高速化する。電力効率が向上した結果、バッテリーの長寿命化も実現した。

プライバシー管理も強化

Android 12は、プライバシー保護機能も大きく強化されている。個人情報の提供を制御する「プライバシーダッシュボード」はより管理しやすい設計に改善されている。たとえば位置情報にアクセスしたアプリを時系列で表示したり、あるアプリがどの権限を何分利用しているのか一覧したりできる。

Googleのプレスリリースより
Googleのプレスリリースより

アプリがマイクやカメラにアクセスした際に、画面右上にアイコンを表示する機能も実装。ユーザーが想定していないタイミングで情報が取得されることを防いでいる。また、「大まかな位置情報」を提供する選択肢も用意された。この2つの新機能は、iOSが先行して導入している機能だ。

オフラインで動作するAIエンジン「Android Private Compute Core」も実装される。動画のライブ字幕生成や、周囲で流れている曲を認識する「この曲なに?」機能、返信を提案する「スマートリプライ」で利用される。ユーザーの個人情報を外部に渡さずに機械学習を利用できるため、プライバシー保護に役立つという。Android Private Compute CoreはAndroid OS本体と同様にオープンソースで、外部の開発者が検証できるようになっている。

プライバシー関連の新機能は、2021年後半にさらに複数の機能が追加される予定だ。

AndroidスマホでChromebookへログイン

OS間の連携機能も発表された。Androidスマートフォンを使ってChromebookへログインできるようになるほか、スマホ宛の通知や写真にアクセス可能となる。

また、Android TVでは、文字入力にスマホを利用できるようになる。

スマートウォッチ向けのWear OSも大幅刷新

スマートウォッチ向けOS、Wear OS(旧名Android Wear)も大きく刷新された。Galaxy スマートウォッチを展開するサムスンと協力し、WearOS全体的なパフォーマンスを改善している。サムスンはスマートウォッチ向けにTizen OSを提供しているが、今回の提携を機にWear OSへ回帰することになる。