FaceTimeリンクを作成し、WindowsやAndroidユーザーへ参加を促せるように
FaceTimeリンクを作成し、WindowsやAndroidユーザーへ参加を促せるように

自分に焦点をあて背景をぼかす「ポートレートモード」の導入も、市場のニーズを踏まえた改良といえそうだ。

自分に焦点をあて背景をぼかす「ポートレートモード」が搭載される
自分に焦点をあて背景をぼかす「ポートレートモード」が搭載される

前述のFaceTimeでは「空間オーディオ」がサポートされ、会話に参加している人物の位置関係を把握できるようになった。機械学習を利用して人間の声以外の環境ノイズを取り除く機能、その反対に声以外の周囲の音も積極的に届ける機能がFaceTimeに追加されることは、AirPodsなど新しい(当然それら新機能に対応・最適化された)イヤホンやヘッドホンの登場を予感させるものだ。

FaceTimeには機械学習を利用して人間の声以外の環境ノイズを低減する機能が追加。図でいえば緑色の部分以外が取り除かれる
FaceTimeには機械学習を利用して人間の声以外の環境ノイズを低減する機能が追加。図でいえば緑色の部分以外が取り除かれる

メッセージアプリを介して音楽や映像などのコンテンツを複数人で共有する「SharePlay」、それにあわせテキストチャットする機能も、ステイホームという文脈で解釈していいだろう。気の知れた友人たちとやり取りしつつ音楽や映画を楽しめる、コロナ禍という時代の要請を受けての新機能といえる。

全体の進行役を務めたクレイグ・フェデリギ氏
全体の進行役を務めたクレイグ・フェデリギ氏

続々登場、iOS 15の新機能

いまやユーザ・開発者の両方から重要視されている通知関連機能にもメスが入った。iOS 15でサポートされる「Notification Summary」は、次々と届く通知を状況に応じて分類・まとめて表示するための新機能だ。

おやすみモードを選択しているときは通知を抑制し、集中モードを選択しているときは重要なアプリのみ通知する、といったシチュエーションに応じた使い分けも可能にしている。重要な通知は通知センターの上部に表示されるようになるなど、使い勝手に磨きをかけた印象だ。

「Notification Summary」の追加など通知関連機能が強化
「Notification Summary」の追加など通知関連機能が強化

カメラ関連では「Live Text」が印象的だった。カメラを文字や図にかざすと内容を解釈し、関連する情報を提供するというGoogleレンズ的機能といえる。

動物や植物の情報も調べられるほか、紙に書かれた電話番号に電話をかけたり、Wi-Fiパスワードを利用してアクセスポイントを登録したりできるが、対応言語のリストに日本語は含まれていない。OCRとしての認識精度も問われることになるため、時間をかけて整備し、iOS 15のリリース後に追加公開の形をとるのかもしれない。

カメラを文字や図にかざすと内容を解釈し、関連する情報を提供する「Live Text」
カメラを文字や図にかざすと内容を解釈し、関連する情報を提供する「Live Text」
動植物の情報もカメラをかざすだけで調べられる
動植物の情報もカメラをかざすだけで調べられる

新しい「Spotlight」も、そのLive Textと無関係ではなさそうだ。これまでiPhoneで撮影した写真は、写真アプリ内で検索するしかなかったが、iOS 15ではSpotlightからの検索に対応、しかも写真に写り込んでいる文字も検索可能になった。こちらの対応言語は不明だが、Live Textと同じAPIに依存するのであれば、日本語対応は秋以降となる可能性がある。