BNPL市場はKlarna(2005年にスウェーデンで設立)、Affirm(2012年に米国で設立)、AfterPay(2012年にオーストラリアで設立)、Paidy(2008年に日本で設立)などの著名な企業によって、大きな成長の可能性が証明されてきました。

最近では、AfterPayがSquareに約3兆円で買収されたり、Paidyが3000億円でPayPalに買収されたり、この分野の成長に大きな期待を抱かせるポジティブなニュースが続いています。

インドネシアでは2016年に設立され、500万人以上のユーザーを持つKredivoが、先日、SPAC(特別目的買収会社)を通じて米国で上場するIPO計画を発表し、期待値は25億ドルに達しています。

ベトナムにおいては、私たちが投資したFundiinが大きな成長の可能性を秘めています。ベトナムの1720億ドル規模の小売市場において、柔軟で優しい支払方法に対する消費者の需要の高まりは容易に予測することができるからです。

誰もが自分の信用を高めようと努力する社会の実現

先進国ではクレジットカードの保有率が非常に高く、例えば日本では2020年時点で87%、アメリカでは79%という数字を記録しています。

一方、なぜベトナムではクレジットカードの保有率が先述のように低いのでしょうか。この記事(ベトナム「労働者新聞」電子版)では、ベトナム人の多くがまだクレジットカードを使うことを恐れていると書かれています。例えば、カードで損することを心配していたり、カードを使う過程で発生するコストをすべて把握していなかったりするということです。

また、先に挙げたBCGのレポートにもあるように、新興国では従来の消費者金融サービスがまだ未発達で、顧客の信用度を確認する手段がありません。そのため、消費者が銀行からクレジットカードを発行してもらうことが難しいなど、多くの困難に直面しています。

ベトナムでは信頼性が高く、定期的に更新される必要のある信用情報データベースが十分にありません。例えば、昨日までは信用度の高い善良な市民だった人でも、今日になって窃盗を犯したり、不良債権を抱えたりすると信用度は変わります。ですから、データは迅速かつ正確に更新する必要があります。

その点、BNPLのサービスは電話番号、インターネットに接続された電話、身分証明書があれば、誰でも利用することができます。クレジットカードが前世紀の発明であるとすれば、BNPLは21世紀の新しいクレジットの形であると言えるでしょう。