ぎゅうにゅう氏が手がけるSNS漫画
育児漫画などを手がけるぎゅうにゅう氏が投稿したSNS漫画

Twitterを中心に広がる「SNS漫画」。イラストレーターやアマチュア漫画家などが、ゆるく独特な絵のタッチ、自由な表現で発信する漫画の投稿は、商業誌とは異なる世界観を生みだしてSNSをにぎわせている。

イラストレーターで漫画家のきくちゆうき氏が2019年から2020年にかけてTwitterに投稿した「100日後に死ぬワニ」もSNS漫画の代表作の1つだ。この作品は最終話を投稿した直後に商業展開が開始されたため、“ビジネスのにおい”を感じた読者が反発して炎上したが、アニメーション映画も制作されるほどの話題作であったことは確かだ。

SNS漫画は多くの広告にも起用されている。最近では、菓子メーカーのカンロが、イラストレーターでSNS漫画家のナガノ氏をTwitterでのPRに起用して話題になった。ナガノ氏は『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ(ちいかわ)』などのIP(著作物)を生み出した人物。ナガノ氏はカンロのPR漫画に加えて、商品パッケージも手がけている。ちなみにこのコラボレーションは、ナガノ氏が以前、カンロの商品を題材としたSNS漫画を書いたことがきっかけで実現したそうだ。

ナガノ氏などを筆頭に人気のSNS漫画家は数多く生まれている。そんなSNS漫画家のマネージメント事業を手がけるのがwwwaap(ワープ)だ。代表取締役の中川元太氏は「ファン獲得を狙う企業からの需要は高い」と話す。実際、PR漫画は数千回以上リツイートされることも珍しくない。

もちろん、SNS漫画が最初からビジネスとして成り立っていたわけではない。そうした中、wwwaapはSNS漫画の黎明期から漫画家と企業を結び、SNS漫画を“稼げる”ビジネスに育ててきた存在だ。