菅本氏によればライバーマネジメント事業にとって「コロナは追い風だった」そうで、プロモーションすることなく1カ月に120人が新たにライバーとして登録する状況が続いていたという。

「個人的にライバーは次世代のYouTuberだと思っています。ライバーはYouTuberと違い、特殊な機材は必要なくスマホさえあればいい。また時給制のアプリなどもあるので、ある程度稼ぎやすい。いつバズるか分からないYouTubeとは大きく違います」(菅本氏)

現在、321でマネジメントするライバーの平均時給は2450円(ほとんど活動していないライバーの収益も含めて)となっており、東京都の最低時給の倍の数字となっている。

「321のトップライバーは月に500万円ほど稼いでいます。ライブ配信は1日に5時間ほど配信すれば、月に40〜50万円ほどは稼げる職業です。ただ、ライバーの仕事に対して『こわい』『何をしたらいいかわからない』といったイメージを持っている人は多いので、もっともっと地方の人たちもライバーという職業を知ってもらえたらと思います」(菅本氏)

大事なのは「貯金」よりも「貯信」

経営者の知名度が高まっていくと、プロダクトと自分のどちらが大事なのか、という質問をされがちだ。そうした問いについて、黄氏はこう語る。

「最初はプロダクトだと思っていたんですけど、よく考えると絶対に両方大事だなと思います。だからこそ、自分自身がサービスやプロダクトの入り口になる努力は今もし続けています。ただ、その裏側にあるサービス、プロダクト自体が良くないと信用を失う。メディア化している経営者にとって一番大事なのは貯金でも何でもなくて“貯信”だと思っていて。信用を蓄積していくことがすごい大事なんです」

「自分の知名度にかまけて、信用を失ってしまうようなプロダクトをPRし続けると、どんどんフォロワーが減り、信用も失い、経営者として本当に落ちてはいけないところまで落ちてしまう。そうならないために、まずはプロダクトとして素晴らしいものを作り上げる。その上で自分がそれにふさわしいPRや発信をできるポジションを取る。そういう意味では、絶対に両方欠けてはいけないピースだな、と思っています」(黄氏)

セッションの最後、菅本氏は「今後のクリエイターエコノミー」について持論を展開した。

「今後のクリエイターに欠かせないもののひとつに“ライブ配信”が入ってくると思っています。信用を獲得していくにあたって、ライブ配信は他のSNSと違って強い。YouTubeでは一方的に話しているだけになりますが、ライブ配信はリアルタイムにコミュニケーションが取れる。熱量を最も届けやすいですし、信用も得やすい。ぜひ生配信をやってみてほしいです」