社員が読み込んだ1000冊以上の児童書データを活用し、AI司書がおすすめ本を紹介

ヨンデミーオンラインの画面イメージ
ヨンデミーオンラインの画面イメージ

「そろばんや水泳などたくさんの習い事がある中で、その1つのカテゴリーとして『読書を習う』という概念を提唱しています。もともと読書が嫌いな子どもや、本を読む習慣がなかった子どもをサポートすることで、読書を好きになってもらい、その先の成長につなげていくことを目指しています」

Yondemyで代表取締役を務める笹沼颯太氏は​​ヨンデミーオンラインのコンセプトをそのように説明する。

同サービスは最初にチャット形式で本の好みに関する質問に答えた後、簡単なテストに回答するところからスタートする。この結果をもとに、ヨンデミー先生から各ユーザーに合った児童書が5冊ほど紹介される仕組みだ。

サービスの利用料は月額2980円で初月は無料。おすすめされる本の冊数は制限がなく
「3冊読めば新たな3冊が補充される」といったように、増えていく。あくまで本を選ぶサポートをする役割に徹しているため、本自体はユーザーが書店で買うなり、図書館で借りるなりする必要がある。

笹沼氏によると、AI司書がヨンデミーオンラインの大きな特徴ではあるものの「単なる選書サービスではなく、コーチングのようなかたちで読書の習慣化を支援する」ことを意識して開発しているという。

クイズ型のレッスンなどを通じて読む前や読んだ後のサポートも実施
クイズ型のレッスンなどを通じて読む前や読んだ後のサポートも実施

読む前のサポートとして、チャット形式のクイズ型レッスンや本の内容を紹介した動画コンテンツを配信することで、本の楽しみ方や心構えを伝える。本を読んだ後も、ほかのヨンデミー生と感想を共有できるコミュニティや読んだ本に応じてバッジが集まる機能によって読書のモチベーション維持を支える。

保護者向けにはLINEを通じて読書指導ノウハウの提供も実施しているそうだ。

ヨンデミーオンラインでは主に5〜15歳の子どもを対象としており、ボリュームゾーンは小学1年生から4年生くらいまでの年代。これまで1400人以上のユーザーに​​サービスを提供している。

ユーザーからは「入会前は週に1冊も本を読まなかったような子どもが毎日本を読むように変わった」「クラスで1番本を読んでいるような読書好きになった」といった声が届くなど、サービスの成長とともに成功事例も増えてきた。保護者からも子どもの行動の変化や成長に対して価値を感じてもらえているという。

読書を楽しむヨンデミーオンラインのユーザー
読書を楽しむヨンデミーオンラインのユーザー

精度の高いレコメンドのカギは「好み」と「難易度」

子どもに読書を好きになってもらうためには何が必要なのか。笹沼氏がポイントに上げるのが「好み」と「難易度(レベル)」だ。

先生や親がどれだけ本を勧めたとしても、自身の好みとかけ離れてしまっていては子どもは前向きに読書に取り組みづらい。また本の内容がその子どもにとって難しすぎると、途中で離脱してしまう原因になってしまうだろう。