「自己分析・自分探し」を通じて、新卒就職や転職といった人生の各局面ごとに「会社・職業選び」は必要となる。そんな仕事人生の全体像を描く上で欠かせないのが、業界・企業研究だ。就活生に向けて、注目の21業界における最新トレンドや企業が求める人材像について、企業分析のプロへの取材を基に解説する。第2弾は「新しい時代のモノづくりで世界をリード」として、「電機業界」を取り上げる。(取材・文/ダイヤモンド・ライフ編集部 大根田康介)
「文理融合」採用などへ戦略転換
2023年、電機業界にとって一つの大きな変化があった。台湾のTSMCが熊本県で、また大手日系連合のラピダスが北海道で半導体工場を建設するため、半導体関連の人材を集める動きが出てきたのだ。電機業界の人事戦略では半導体が台風の目となりそうだ。
グローバル化が進む中、電機各社が求める人材像は変化している。日本企業はバブル崩壊後の「失われた30年」で経営合理化が進み、部門ごとに業務を限定する欧米のガバナンスが取り入れられ、全社戦略での成長が難しくなった。
そこで、社員を型にはめず素早く新しいことに取り組めるよう、仕事の自由度を上げる施策に取り組む企業も出てきた。また、エレクトロニクス=理系中心という採用方針を見直す企業も増え、「これからは文系・理系の壁を取り払う文理融合がキーワードになる」と早稲田大学の長内厚教授は言う。技術から営業まで、ビジネス全体を見られる人材が求められている。
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文系の学生は技術に対する目利き力を高め、理系は製品を企業がどう収益化できるか、ビジネスに対する造詣を深める必要がある。
入社後の若手の中にも、昨今のリスキリングブームでビジネスを学びたいというエンジニアが増えているという。若いうちに経営学などを学べば、未来の自分への投資にもつながるだろう。