米投資ファンドのサーベラスが経営から離れ、公的資金返済の道筋が見えたあおぞら銀行。安定的な成長への青写真を馬場信輔社長はどう描いていくか。

あおぞら銀行社長 馬場信輔<br />公的資金を全額返済しても<br />地域銀行出資への資本は十分Photo by Kazutoshi Sumitomo

──サーベラスの保有株売却で株主構成はどう変わったのか。

 100以上の機関投資家と相当数の個人投資家がおり、構成は劇的に変わっている。これまでは、サーベラスに説明できていれば株主総会で賛成してもらえたが、今後は誰が賛成、反対というかわからない。今後の戦略をしっかりと説明して理解してもらえるよう、IRの仕方も相当考えていかなければいけない。

──経営の主導権を再び握る中で、活路をどこに見いだしていくのか。

 われわれは、事業再生ローンや不動産のノンリコースローンなど、付加価値の高いファイナンスを組んでいくことに競争力の源泉があった。そうした機能を最大限生かすには、単体ではなく、組み合わせて提案していくことが必要だ。そのため、4月に「ビジネスイノベーションオフィス」という部署を新設する。行内の様々な部門に自由にアクセスさせることで、企業や地域金融機関への総合的な提案力を強化していきたい。

 地方銀行ぐらいのサイズしかない全国銀行だが、コンパクトで小回りが利くことが強みでもある。銀行の持つリソースを組織横断でフルに活用していかなければ、他行には勝てない。