「お金」大全 #11Photo:PIXTA

知る人ぞ知る“新お宝保険”がある。かつて売られていたが今は販売中止となっている、お得な生命保険商品だ。特集『「お金」大全』(全17回)の#11では、その実例をご紹介しよう。予定利率が高かった時代の“お宝保険”と共に、簡単に解約してはいけない。(ダイヤモンド編集部論説委員 小栗正嗣)

1990年代までの貯蓄型保険は
簡単に解約してはいけないお宝保険

 終身保険、個人年金保険、養老保険、学資(こども)保険など貯蓄型の生命保険は、契約の年代によって“格差”がある。保険会社が契約者に約束する運用利回り(予定利率)が時代によって大きく違うのである。

 この予定利率や死亡率推計などに基づいて、契約者が支払う保険料や将来受け取る満期保険金、解約返戻金の金額が設定される。一般に予定利率が高ければ保険料は安く、満期保険金は高く、逆に低ければ保険料は高く、満期保険金は安くなる。

 下の表を見ていただきたい。保険期間20年超の場合の予定利率は1985年から93年にかけて最高の5.5%となり、以後、段階的に引き下げられてきた。

 当時からほぼ30年が経過し、満期がある学資(こども)保険や養老保険は姿を消した。だが、終身保険や個人年金保険の場合は、解約や転換、見直しさえしていなければ、契約当時の予定利率が適用される。2023年の今も、あり得ない高い利率が継続している。「お宝保険」と呼ばれるゆえんだ。一般に1990年代まで(予定利率3%前後まで)のものは、簡単に解約しない方がいい。保険証券や保険会社から送られてくる「契約内容のご案内」をチェックしておこう。

 90年代までのお宝保険を守るのは、老後を見据えたマネー術の王道だが、実は2000年代以降にもお宝商品がある。すぐ販売中止となった新商品だ。

 契約者、被保険者にとってお得ということは、保険会社にとっては割に合わない商品ということ。売れ過ぎても困るということで、わずか数カ月の間しか販売されなかったものもある。こうしたお得商品はあまり知られないまま、ひっそりと販売中止となっていく。まさに「新お宝保険」だ。解約しない方がいいのは言うまでもない。

 知る人ぞ知る、新お宝保険とはどのようなものか。実例を見ていこう。