松本さんは1月11日夕方までに、報道に関して4件のX投稿をしているが、残念ながら投稿を重ねるごとにネット上での評価は落ちているように感じられる。

 これまでとにかく「面白い人」としてその発言が注目されてきた芸人であるだけに、このような危機であっても、批判派をも黙らせるような「うまいこと」を言ってくれるのではないかと期待した人も多かったはずだ。しかし……である。

 1月5日に投稿された「とうとう出たね。。。」は、告発女性からスピードワゴン小沢さん(初報で飲み会をセッティングしたと報道されていた)へのお礼メールの画像付きだった。

 しかし、これにはたとえば、ジャニーズの告発者たちの中にも「故ジャニー喜多川氏に今でも感謝している」と話す人がいるという反論がある。性暴力の被害者は心理的に混乱して、被害後に相手に迎合したり、それまでと変わらない日常を過ごすように努めたりする傾向がある。

 このような心理が現在ではある程度知られているため、松本さんが提示した画像は意に反する行為や、不意打ちの行為がなかったことの決定的な証拠とはなりづらい。

 さらに言えば、この画像は飲み会があったことの証拠にはなり得るのだから、吉本興業が発表したコメントの「当該事実は一切なく」と矛盾しているようにも受け取れてしまう。

 松本さんの投稿が「こんな報道も出ましたね」程度であったらまた少し反応も違ったかもしれないが、「とうとう出たね」では、これが松本さん側の決定的な切り札であったようにも受け取れてしまう。

「ワイドナショー」出演への言及に
報道側からも反発が

 さらに決定的に見えたのが「ワイドナショー出まーす」と、その後のトーンダウン、さらに出演取りやめの報道である。出演に言及する投稿があったのは1月8日夜だが、翌日にはテレビプロデューサーの鎮目博道氏が報道の「公正中立」からの問題点を指摘する記事を弁護士ドットコムニュースに寄稿(「渦中の松本人志さん『ワイドナショー出まーす』出演は本当に実現するのか…TVプロデューサーが指摘する数々の問題点」)。