広島大学構内に停車中の実験車両広島大学構内に停車中の実験車両(写真はすべて筆者撮影)

JR西日本が開発中の「自動運転・隊列走行BRT」が、いよいよ公道を走りだした。昨年9月25日付『「自動運転バス」ここまできた!“格落ち”イメージ払拭?JR西とソフトバンクが公道で実験へ』で取り上げた通り、昨年11月から東広島市の西条駅から広島大学をつなぐ大通り「ブールバール」で実証実験に向けた準備走行を重ねていたが、ついに1月10日から自動運転・隊列走行の実証実験がスタート。筆者は同日に行われた報道公開と試乗に参加してきた。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

自動運転の実証実験では
一般人向けの試乗会も

 報道公開後に行われた記者会見で東広島市の髙垣廣徳市長は、学園都市である東広島にとって西条駅から大学までのアクセスが大きな課題だったとした上で「できるだけ早く社会実装されるように、これからも連携しながら取り組んでいきたい」として、実用化に向けた協力を表明。

 また、広島大学の越智光夫学長は「約1万1000人の学生と5000人の教職員が研究教育を行っている。それだけでなく地域の住民の方々にも大きな福音となる」と述べ、1日当たり2000人が利用する路線バスのアップデートに期待を寄せた。

 公道上の自動運転はどのような内容であれ注目を集めがちだが、今回の実証実験が単なるデモンストレーションにとどまらないのは、1月10日から2月4日までの金、土、日を中心とした12日間、車椅子利用者・介助者を含む一般人向けの試乗会を行っている点だ(既に試乗会の予約枠は満席)。