JR西日本の長谷川一明社長は2月16日の会見で「ローカル線に関する課題認識」を示し、17路線30線区のあり方を見直す方針を明らかにした。JR西日本の意図と目指す先は何か。ローカル線は廃止されていく運命にあるのか。JR西日本総合企画本部地域共生部の飯田稔督(としまさ)次長に話を聞いた。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)
沿線人口の減少などで
維持が困難な線区も
JR西日本の長谷川一明社長は2月16日の会見で「ローカル線に関する課題認識」を示し、芸備線や木次線、大糸線など17路線30線区のあり方を見直す方針を明らかにした。
背景にJR発足から35年が経過する中で沿線人口の減少や高速道路をはじめとする道路等の整備、自動車を中心としたまちづくりが進んだことを挙げ、この結果、一部ローカル線区はJR西日本の経営努力だけで維持するのは困難になっていると説明する。
そこで輸送密度(1キロ当たりの1日平均旅客輸送人員)が2000人未満の線区は「大量輸送機関として鉄道の特性」が発揮できず、「このままの形で維持していくことは非常に難しい」として、地域のまちづくりに合わせた持続可能な交通体系に転換するために話し合いを進めたいというのである。