実証実験は下図の通り、中央公園前バス停から池ノ上学生宿舎前バス停まで片側3車線のブールバール区間、片道3.2キロで行われる。このうち池ノ上学生宿舎前バス停から御薗宇ランプまでの1.5キロで連節バスと大型バスが隊列を組んで走行する。この区間は中国ジェイアールバスと芸陽バスの路線バスが多数運行されており、実証実験はこの合間を縫って行われる。
専用レーンなどの
設置に向けた検討も
昨年11月から行われた準備走行では、西条駅から広島大学方面の急勾配区間の加速力やブレーキ制御を調整。また、テストコースでは隊列走行の車間を出発時5メートル、走行中15メートル(プラスマイナス5メートル)としていたのを、公道における安全性を考慮して出発時10メートル、走行中20メートル(同)に変更するなど、課題を一つずつつぶしていった。
ただし、実験段階ということで、地上設備の設置や改修など予算や手続きの関係上、対応が困難な部分は手動運転で対処している。例えば、西条駅前のロータリーは連節バスの走行を想定しておらず、余裕のない設計のため、運転手が運転する。
また、国道2号線と立体交差する御薗宇ランプ付近では、位置情報を測位する衛星信号の受信が不安定になるため、自動運転中に手動で介入(オーバーライド)して走行する。この他、発車時の後方確認は人間が行っているが、これらは実用化にあたってはセンサーの設置など地上設備で対応する予定だ。
もちろん、課題もある。赤信号で前方車両が停止する場合、手動運転であれば惰行のあと徐々にブレーキをかけていくが、自動運転では距離によってはアクセルを踏んだあとブレーキをかけるので、乗り心地が悪くなることがある。
これらは制御によって解決できる部分もあるが、究極的にはBRTの前提となるバス専用または優先レーンの設置と、公共車両を優先して信号を制御するPTPSの導入で解決したい考えで、東広島市も導入に向けた検討を進めている。