海浜幕張駅の夕・夜間上り方面はイベント参加者・スポーツ観戦者が快速待ちで混雑することから、到着列車に次々と乗せることでホーム滞留を解消したいというわけだ。また夕夜間にも大ナタが振るわれており、東京駅平日午後6時~午後10時過ぎまでおおむね毎時3本設定されている下り快速・通勤快速が全て廃止され、各駅停車のみの運行となる。

 もっとも快速の縮小は今に始まったことではなく、2022年3月のダイヤ改正で通勤快速4本中2本を各駅停車に変更。2013年3月のダイヤ改正では蘇我駅7時台から8時台まで通勤快速を除く快速8本を各駅停車に変更しており、現行の各駅停車中心のダイヤはこの時に確立されたものだ。

 当時のプレスリリースには、「これまで快速電車が通過していた駅の停車回数を大幅に増やし、乗車チャンスの拡大や乗り換えの不便解消など、利便性を向上させるほか、『快速』と『各駅停車』で差が生じていた電車ごとの混雑偏りを平準化します」と、今回のダイヤ改正と全く同じ説明をしている。

 JR東日本としてはこれまで段階的に進めてきた「快速縮小」が受け入れられたとの判断から、集大成として今回のダイヤ改正を実行可能と考えたのだろう。

全列車各駅停車化による
副次効果の真偽

 全列車各駅停車化の副次効果が、途中駅での待避(追い越し)がなくなることによる所要時間短縮だ。例えば現行の蘇我駅7時42分発各駅停車は、同44分発、同58分発の通勤快速2本を待避するため蘇我~東京間に60分を要するが、待避しない各駅停車は52~53分で走破する。快速・通勤快速の時短効果は各駅停車利用者の負担で成立している、というのは一面の真実だ。

 ただ実際は、そう単純な話でもない。現行ダイヤでは蘇我駅6時台~8時台に特急「さざなみ」「わかしお」が計5本、改正後は6本設定されており、朝のラッシュに特急列車が最も多い路線と言えるだろう。先行する各駅停車を3本追い越すも列車もあり、結局のところ待避は避けられないのだ。

 もう一つの各駅停車化の目的として、JR東日本は快速等通過駅の「乗車機会の確保」、つまり各駅停車しか止まらない駅の停車本数増を挙げているが、これらの利用者はそれほどまでに増えているのか。最新データの2022年度、コロナ前の2018年度、10年前の2012年度の各駅定期乗車人員を比較したのが下記の図だ。

 なお、コロナ禍で大幅に減少した鉄道利用者は2023年度以降急速に回復しているが、ほとんどが定期外利用によるものだ。定期利用については2020年度以降ほぼ横ばいなので、直近の利用状況も2022年度と大きく変わらないとみなして話を進める。

 これを見ると、確かに対2012年度で乗車人員が100%を超えている駅のほとんどが快速等通過駅だ。コロナ前との比較でも快速等停車駅が70~80%台なのに対し、90%以上を維持している駅が多い。

 ただ、乗車人員を比較すると、快速等停車駅は検見川浜を除き1万人以上なのに対し、通過駅はいずれも1万人未満であり、停車駅と通過駅の規模には大きな違いがある。あくまでも相対的に通過駅の存在感が大きくなったということだ。