アーティストがアルゴリズムに
対抗する5つの方策

 カレンは、アルゴリズム中心の世界でアーティストが自己防衛する5つの方法を挙げました。

1. 1 for me, 1 for the algorithm(私のためにひとつ、アルゴリズムのためにひとつ)
2. Be proud of your flops(失敗を誇りに思おう)
3. Seek respect, not attention(注目ではなく尊敬を求めよう)
4. Human + AI is better than AI(人間プラスAIは、AIのみに勝る)
5. Put away screens on Saturdays(土曜日には画面を遠ざけよう)

 1つ目の「私のためにひとつ、アルゴリズムのためにひとつ」は、アルゴリズムに魂まで売らないようにしようという言葉です。ソーシャルメディアに投稿する以上は、アルゴリズムを無視するわけにはいきません。カレンのようにそれで生計を立てているなら、なおさらです。しかしアルゴリズムの奴隷にならないように、自分のために自分が作りたい作品を作るのを我慢しないようにすることも大切です。

 2つ目の「失敗を誇りに思おう」について、カレンはいいねや視聴の数だけで成功を定義するのではなく、そこから何を学べたかを考えるべきだ、と述べています。「失敗しても構わない。アルゴリズムにあなたの作品の審判を委ねてはいけない」と彼女は言います。

 3つ目は「注目ではなく尊敬を求めよう」。これは短期的な注目ではなく、自分がどうありたいかを考え、自分が尊敬できるものづくりを優先しようということです。その方が、創作活動は長続きします。

 カレンはソーシャルメディアのアルゴリズムだけでなく、AIのアルゴリズムについても語りました。それが「人間プラスAIは、AIのみに勝る」。彼女は最近、AIを使うときに「どうすれば、人間らしさをAIに取り込むことができるか」を考えるようにしているといいます。

 最後は「土曜日には画面を遠ざけよう」。例えば週に1日でも画面のない時間を設けることで、独創的な思考や人間らしさを取り戻せるとカレンは話しています。