「一緒に働きたいと思われる人」が忘れない7つの姿勢

 では、「仕事をする場」としての職場で良好な人間関係を築くためには、どうすればいいか。答えは、「周囲から信頼されること」です。信頼されて「『一緒に働きたい』と思われる」ことです。

 そして、「一緒に働きたい」と思われる人たちには、職場での行動や周囲の人との向き合い方などの姿勢に共通点があります。なかでも重要視すべきは、

(1) まず、与えようとする
(2) 常に「For You(相手視点)」で考える
(3) 礼儀・礼節を忘れない
(4) 自分を客観視できる
(5) 自ら率先して行動する
(6) 人の長所を見つけようとする
(7) 仕事の成果にこだわる

 の7つです。

 まず(1)の「まず、与えようとする」についてご説明します。

 周囲のために見返りを求めずに行動することを「当たり前」と考える人は、好感を持たれ、同じ職場で働く一員として尊敬や信頼を得ることになるでしょう。

 さらに、「まず与える」という献身的な行動をしていると、本人の意思と関係なく自然に大きな見返りが得られます。返報性の法則(受けた行為に報いたいと思うこと)という心理作用によって、周囲の人たちが「何かお返ししたい」と思うからです。

 人は損得抜きに献身する姿勢に信頼を寄せ、「ともに働きたい」と思うのです。

 次に、(2)の「『常にFor You』で考える」について、です。

 よく、「コミュニケーションの基本は相手視点」と言われます。ただ、ビジネスパーソンにとってはコミュニケーションに限らず、仕事に向き合う姿勢全般に「相手視点」の意識が求められていると私は考えています。

「相手視点」とは、相手の立場になって「相手がどう思うか、どう感じるか」を基準に考え、行動する姿勢ということになります。
 
 相手の立場になって考える人は、「相手の求めていること」をわかろうとする人だということ。「こうしてほしい」「これはやめてほしい」といった相手の要望を考えるから、それに対して適切なアクションを起こすことができるのです。

(3)の「礼儀・礼節を忘れない」は「相手に対する『思いやり』や『敬意』を忘れない」ということです。例えば「感じよくあいさつする」「清潔感のある身だしなみをする」「感謝の気持ちを言葉にする」などが該当します。
 
 こう書くと「そんなの当たり前」「今さら何を」と思うかもしれません。しかし、当たり前のこと、言われるまでもないことほど人は軽視して手を抜きがちです。

 「毎朝出社したら必ず、ハキハキとあいさつしていますか?」

 と聞かれて「はい」と自信を持って答えられる人がどれくらいいるでしょうか。

 当たり前のことほど徹底するのは難しいもの。でも、当たり前の礼儀・礼節を欠いた行動は、ときに人間関係を悪化させてしまうきっかけにもなりかねません。だからこそ、それを徹底できる人は、人間関係も上手くいくのです。